殺害予告対応で見えた世田谷区の危機管理レベル
議員になってから8年間、行政のリスクマネジメントが甘すぎると感じ、
様々な観点からその問題を指摘し改善要求してきましたが、
この2年間は「災害・防犯・オウム対策等特別委員会」の委員長を務めており、
リスクマネジメント感度の低さをさらに痛感しています。
先月9日、世田谷区に「子どもに対する殺害予告」がありましたが、
風間は「お粗末な子ども殺害メールの対応」というブログを書いた所、
かなりのアクセスがあり、たくさんのメッセージを頂きました。
関連して近隣区へ適切な情報提供ができなかった。
その理由を問いました。
本日行われた災害・防犯・オウム問題対策等特別委員会では
危機管理室からこの件についての報告がありました。
事件の経緯と対応方針は以下の内容です。
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1.経緯
平成27年1月9日(金)
11:52 世田谷コールあての殺害予告投稿を受信
13:30 世田谷警察署へ通報・相談
14:19 庁内向けの注意喚起、国立・私立小中学校へ情報提供
18:15 区民への情報提供(ホームページ、防犯メール、ツイッター)
平成27年1月10日(土)
16:00 世田谷区警察署へ被害届を提出
2.課題
(1)いたずら、愉快班ともとれる投稿への対応方針が整理されていない。
(2)区内の国立・私立小中学校への情報提供、関連して近隣区への情報提供
3.対策
(1)区に対し子供の殺害を予告するような事案が発生した場合は、
犯罪行為として警察に通報するほか、対応方針等について
庁内の意思統一を図った上で、速やかに区民へ情報提供する。
(2)他区からの区内の国立・私立小中学校への情報提供、
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風間としては、世田谷区あての殺害予告メールを受信してから
区役所が警察署へ通報するまでに98分かかったことも問題視し、
すると、区役所全体で愉快犯かもしれないという懸念から
情報伝達が滞ったのだということがわかりました。
危機管理として重要となる意思決定権者への迅速な情報伝達と
意思決定権者の適切な決断がなされていなかかったのです。
人の命に関わるというハイリスク案件にもかかわらず、
その発生確率を甘く見積もることなどリスクマネジメントの観点から
決して行ってはならないことですがこれが役所の実態であると感じました。
保護者が我が子を守ることに当事者意識を持つのは当然のことであり、
そのリスクがあるという情報が、
「愉快犯かもしれない」であったり「区民が混乱するかもしれない」などという
役人の余計な推察によって入手できるかどうかが左右されるなど
とても容認できることではありません。
先週、和歌山県では小学5年生が殺害される痛ましい事件が発生しました。
本当に悲しいことですが、仮にこの事件発生前に殺害予告が行政宛にあり
その情報提供を行政が市民にしていなかった、などと想像すれば、
世田谷区役所のリスクマネジメントが如何に甘いかわかります。
今回の委員会報告でなされた内容ではまだまだ区の認識は甘く、
各家庭でも対応・対策を考えられるよう、
情報を即、共有化することが如何に重要かを指摘し、
迅速な情報伝達がなされる危機管理体制の改善を要求しました。
私達現職議員の今回の任期はあと2ヶ月半となりますが、
任期期間内に具体的な改善策を示し、それを区民に公表するよう、
任期最後の議会で求めていく予定です。