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都立高校入試、学校のミスで不合格になってしまった生徒が三人も

こんにちは。少し久しぶりの更新となりますが、皆さんにぜひ知っておいて頂きたいことがありましたので綴りました。

6月9日の文教委員会で「令和4年度東京都立高等学校入学者選抜における追加合格事案の発生と再発防止に向けた今後の取組」について議論がなされました。

「追加合格事案の発生」と聞けば問題だと気付きにくいのですが、この事案は、都立高校入試の合否判定の誤りにより、2校で3名の受験生が一合格基準に達しているにもかかわらず不合格のまま新年度を迎え、その3名は他行に入学した後に合格基準に達していたことが判明し、4月になってから追加合格となったというあってはならないことなのです。

【明らかになった入試選考体制の問題点】

どうしてそのような事が起こってしまったのでしょうか?

教育庁(東京都教育委員会事務局の組織)の説明によると、

A校では、合否ラインで同点の受験者がいた場合の基準をご認識し、1名の受験者を誤って不合格としてしまい、B校では感染症対応策として別日に受験し合格基準に達していた2名を誤って不合格にしてしまったという事です。

各文教委員から質疑がなされましたが、私は一番最後でした。

まずは、私の質疑以前にほかの委員の質疑によって明らかになったことを抜粋して以下お知らせします。

Q:

発覚日と生徒への対応について。

A:

A校は4月7日にB校は4月12日に教育庁の職員が入試の資料を整理している際に誤りに気付き校長に事実関係を確認し発見。A校は4月11日にB校は4月13日、14日に校長と教育庁の入学選抜課長が追加合格となる生徒保護者宅を訪問し、改めて謝罪の上、入学手続きや損害賠償について説明を行った。4月18日から5月16日でほかに誤りがないか各学校を訪問し確認した。

Q:

発覚した理由とその後の対応について。

A:

教育庁では来年度の入試試験に生かすために様々な分析を行っており、その内部的な資料を作成する際に職員が気づき、課長が事実関係を確認した。その後、両校長に連絡をし、事実関係を確認した。両校長は資料を点検し誤りがあったことを確認した。

Q:

再発防止と今後の取り組み。

A:

校長や副校長など入試選抜にかかわる教職員の知識不足、合否判定を行う選考委員会が形式的になっており実質的なチェックが足りていなかったことから発生した。再発防止については、合否判定の方法に関する集中研修会などにおいて、入学選抜にかかわる教職員の研修の強化、合格判定システムの改定、ボーダーラインの設定やチェックリストの作成などを実行していく。

Q:

過去事例はどのくらいあったのか。

A:

6件発生している。

Q:

どのような改善策を行ってきたのか。

A:

採点の誤りの防止策として解答用紙のマークシート形式を採用、(申し入れがあった場合)合格発表後の採点済みの解答用紙の開示、複数の者による研究を徹底、庁内に対する対策の徹底を行ってきた。

ほかにも、様々な観点から質疑がなされ、3名の追加合格となった生徒のうち、その学校には進学せず、4月当初に入学した学校に留まることにした生徒がいて、学校はそれぞれに丁寧にフォローしていることも確認できました。

【教育長は最後まで一言も発せず】

委員による質疑のラストバッターとして私からは以下のような主旨で発言、質問を行いました。

私は息子がこの学年の受験生だったので、彼の同級生を含めて受験生たちが身近にいた高校受験は子供たちにとって心的負担も大きく、人生を左右するものであり、合否判定にミスなどあってはならないものだと親の立場としても改めて感じています。

今回のミスの責任はだれが負うべきなのか?と考えれば、それは東京都教育委員会であり、そのトップは教育長です。このミスが起こった時には浜教育長は就任前だったとはいえ、今日の質疑に対して一言も発さなかったことについては不安を覚えます。

今回の事案で明らかになったことは同点でも当落が変わってくるという事です。

子どもたちの申請を左右するようなミスを起こしたことについて、今感じている責任について問いました。

これについても教育長は対応せずで残念でしたが、改めてのお詫びがあり、事態の重大さをしっかり受け止め、実効性のある再発防止策を学校と教育委員会が一体となって実行していきます、と部長答弁がありました。

さらに、同点でも合否が分かれるような都立高校一般入試制度に、今年度からはイングリッシュスピーキングテストで20点満点、4点ごとのざっくりとして配点がなされることについては、入試の正当性に疑義が生じる懸念があると専門家からの意見もあり、改めて見直す必要があること指摘しておきました。

皆さんはどのように感じるでしょうか?

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