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対談 保坂展人世田谷区長と東京を語る!

  • 保坂さんが区長に就任されてからの10年間、

    私は会派幹事長として、共に世田谷のために

    働いてきました。7月の都議会選挙を目前にし、

    改めて保坂区長と東京を考え、また都政へ挑む

    私に何を期待されるのかをお伺いしました。

    対談の書き起こしです。ご一読いただければ幸いです。

     

    ※Youtubeでもシリーズで公開中。

    「区長対談① 学校にはまらない個性どうする?」はこちらから。

     

    東京都政に風穴を

    保坂 東京都って巨大組織じゃないですか。

    昔は都にもいっぱい現場があって、保健所も

    福祉事務所も保育園も東京都だった。

    いまは一部、病院とかに限られていますよね。

    頭が固いというか、官僚主義の壁って、

    多かれ少なかれ世田谷区役所にもあるけれども。

     

    風間 はい。

     

    保坂 あと、少し前に質問と答弁が学芸会だって

    話がありましたね。東京都が全部、質問文を

    作ってきて、都側の答弁できること以外を

    聞いてはならない、みたいな不文律が

    つい最近まであったって、聞いていません?

     

    風間 何のための都議会議員かっていう話ですよね。

     

    保坂 東京都と東京都議会がやっぱり風通し

    悪いように見える。だからそこに風穴を、

    名前も風間だし、開けて欲しいなと思っている。

     

    風間 はい。児童相談所を東京で全面展開を

    していく必要性がある状況だと思うのですが、

    東京都はやっぱりまだ抵抗を示しているのですか?

     

    保坂 23区とか三多摩26市町村のことを

    自分の下と見ているのね。だから、

    お前らにできる訳ないじゃないか、みたいな。

    さすがに法律も変わって、今、世田谷区に児相が

    移ったことで、東京都はだいぶ助かっているはずなのね。

     

    風間 はい。

     

    保坂 それだけ、案件を区児相で受け止めて

    いますから。あと、一時保護所の問題ですね。

    子どもが暴力から保護されるはずが、ご飯を

    食べる時に相手の目を見ると懲罰行為を受ける

    という人権侵害を弁護士から指摘されました。

    子どもの権利条約が、まだ児相に入っていないじゃないかと。

    都児相自体の改革も非常に大きな課題だと思います。

     

    風間 私が区議になった時にも、区役所の

    職員と大きい会派との慣れ合いの構造を

    感じましたし、いくら野党的に質問しても、

    何も変わらない感じはあった訳です。

    ただ、保坂区長が就任してからは、割と議論が

    できるようになってきた。やはり都政を

    変えるにはトップも変わっていかないと。

    その辺は、どう感じますか?

      

    保坂 結局、日本最大じゃないですか、

    都知事選挙って。一千万人以上の有権者を

    抱える選挙の中で民主主義を機能させていく、

    住民との直接対話は、なかなか難しいかな。

    ひとつ良かったと思うのは医療的ケアの

    母親たちが要望を持ってきたのですよ。

    ほとんどが都の権限の項目だったので、

    知事につないだら会ってもらい、都として

    取組むことになって非常に喜ばれました。

    ただ、組織が巨大すぎて人の顔よりもシステムや

    機構の話が優先されてしまう。あと、

    人事のせいで組織として活力を失っているのかな。

     

    風間 なるほど。その意味では、都知事が

    変わったことでも、官僚組織がしっかりし過ぎて

    硬直化していて変えられないイメージ。

    議会側からも擁護されている印象が

    ありますけれども、やっぱり変えていかなければ。

     

    保坂 そうですね。

     

    変えられるか、政治と官僚機構

    風間 政治の仕方、官僚機構っていうのは、

    時代に応じて変えていけるのですかね?

     

    保坂 僕は国会の後、世田谷区長を10年やって、

    両方知って思うのだけれど、意外と中央省庁の

    官僚はどう変えるかに興味があるし、

    国会議員もどう改正するかに着目していますね。

    区も現場なので、法律とか制度はあるけど、

    どう柔軟にできるか悩む。

    都は本当に杓子定規ですよ。

    法律がこうなので守りなさいという。

     

    風間 なるほど。

     

    保坂 以前、美濃部都知事の時に

    産業優先の社会だった。その時に

    東京中に青空をというスローガンが、

    子どもながらに希望に思えた。

    それで公害に対する先行的な規制をかけて

    国の政策にさせた。

    その頃の東京都っていうのは国とは違う

    価値観で、生活や暮らしの現場の声を

    拾い上げ変えていく技を持っていた。

    本来は東京都って、国が迷ったり、

    変な方向へ行こうとしている時に良い方向を

    示せるはず。今回のコロナとワクチンに

    関しては、東京都のリーダーシップが見えない。

     

    風間 やっぱり現場を持つことで官僚たちも

    問題意識を持つべきだと思います。

    教育現場はブラック校則の問題含め、

    都の教育委員会を変えていけば世田谷区など、

    良くなってきている所は更に突き抜ける。

     

    保坂 小池さんは教育のことは言ってないですか?

    国際金融都市とかイノベーションとか。

    ダイバーシティとか以外に。

     

    風間 確かに、そういう話以外は聞かないですね。

     

    世田谷が拓く教育改革

    保坂 やはり東京都はすごい組織。例えば、

    東京都医学総合研究所には、相当ハイレベルな

    認知症の研究とかしていて、コロナに対する

    国産ワクチンを開発した小原先生という方もいて、

    世田谷区のアドバイザリーになってもらっている。

    一方で都立高校でも、研究者でもあるいは

    芸術家でも、そういうものを使って素晴らしい

    学校空間、若い世代が内心をかき立てられる

    ようなものを作れる可能性があるけれど、

    そういう議論がここ20年くらい止まって、

    髪型とか、地毛証明書とかの話が目立つように思う。

     

    風間 保坂区長が就任してから、不登校の子たちが

    増えてきている中で、勉強は好きだけれども、

    学校の雰囲気が嫌だとか、全員同じ行動を

    強制されることに馴染まない子が小学生でも

    増えてきていることにすごく問題意識がありまして。

    それで世田谷区ホットスクールで公設民営型を

    オープンした時に、中学生メインだったものが、

    小学生が随分入ってくるようになった。

     

    保坂 すごく入ってきましたね。

     

    風間 ニーズがあるという事だと思うし、

    小学生の段階でその学びに関して自分のペースで

    やりたいという意思の表れかな。

    そういう子たちも学べる空間を

    今の制度の中でもできることを、ある意味で

    世田谷が証明したのでは。世田谷区だからできる

    のではなく、首都東京全体に広げていくべき。

     

    保坂 世田谷区で不登校特例校も来春開校予定だし、

    普通の学校はちょっと難しいけど、この学校ならば

    通えるかもしれないという所に、

    今のカリキュラムとは違う考え方の

    学びがあっていいだろう。

    それから、アートスクールですね。芸術文化、

    ダンスだとか映画作りだとか演劇だとか、

    大学と連携して若い芸術家たちに参加してもらって、

    夢中になって作る。そういう経験って、

    人生の糧になるのですね。今、文部科学省と

    話をすると是非それやりましょうという反応ですよ。

    区もだんだん変わってきて、行けるかな

    という感じになっている。

    少子化で子供が少なくなって、ある意味学校制度

    そのものが負の連鎖みたいになっている。

    それで地盤沈下もすごい。日本の大学のレベルが

    どうもどんどん沈んでいる感じ。

     

    風間 私も区議会ではギフテッドスクールの

    提案をずっとしてきたし、不登校特例校とは

    別にカリキュラム特任校もできると提案しましたが、

    これも都の教育委員会がきちんと進めて行く方針

    立てて予算付けをすれば、区としてもやりやすい。

     

    保坂 特に旧型の産業が伸びない中、

    区内でもICTで起業する意欲的な人が多いし、

    独創的なアプリとかを作って、成長が早い。

    イノベーションを担っていく若い世代と、

    学校って相性悪いなと思いながら。でも今、

    立身出世とか、末は博士か大臣かなんて死語でしょ?

    人の役に立って感謝される仕事、地球環境の負荷を

    軽くする仕事とか、価値観も変わってきている。

    そういう時代の変化を東京都の教育で

    示して欲しいですよね。

     

     

    風間 15年前に区議になった時、ICT導入は

    東京都が全国的に下位で、世田谷はその中でも

    更に下位だった。ずっと環境整備を求めてきて、

    なかなか予算を充てられない世田谷区政が

    保坂区長就任と共に全校に導入となった。

    このコロナ禍になって、いち早く一人一台

    タブレットを求めて実現した。今度はそのあとの

    教育内容だと思う。区の教育委員会も力を入れる

    方針を示した。都の教育委員会も研修制度の中で、

    もう少し柔軟性ある教員養成、教員が学び易い

    プログラム作りをしていかなければ。

     

    保坂 今、交流しているオレゴン州

    ポートランドからの提案は、活発に交流するなら

    世田谷の学校の先生、一年くらい来てよと。

    ところが、制度がない。せいぜい夏休み二週間とか。

    子供たちがホームステイすると言っても

    長い期間ではないし。「前例がありません」

    って言う世界だよね、区役所の世界って。

    前例がないからやろうという風に切り替えて

    いかないと、日本はどんどん没落するばかりだと思う。

     

    風間 確かに世田谷区は私が提案した

    姉妹都市交流の取り組みの一つで、独自の予算で

    先生たちがフィンランドに学びに行った。

    子供たちが学ぶ環境を作るには、先生たちにも

    学びを進めてもらうことが必要だし、

    その予算措置は東京都が行っていくべき。

     

    保坂 教育委員会で校長先生と一緒にオランダの

    イエナプランスクールとか普通の公立高校でも

    見て衝撃を受けるわけ。特に教育センター、

    「こんなにすごい教育学者がいて、プロって

    こういう風に学校をサポートするのだな」

    ってすごく学ぶ。

    フィンランドに行って、少人数教育を

    今の渡部教育長も見ているはず。

    世界中コロナで更に前進した。

    オンラインもただ映像を配信するのでなく、

    いつかまた再開できる時につないでいくような

    手法を東京都自体率先して切り開くべき。

    子ども・若者に対する投資ですよね。

    子供や若者たちを徹底的にサポートする

    姿勢をもっと前面に出していってほしい。

     

    風間 はい。子供が学び・育む環境を重視して

    15年やってきました。東京都はもっと大きな

    予算・権限を持っている訳ですから、

    そこにチャレンジして行きたい。

     

    保坂 是非、風間さんは区の現場も知っている

    わけだから。ホットスクール、公設民営も、

    やれば本当に「毎日が変わりました」って

    言うのね。お母さんが、すごく悲観的だったと、

    学校も行かずどうしようと。それが、その子が

    自分で跳ね起きて着替えて、「いってきます」

    というのが始まった。

    日常はすっかり変わったと、それが大きいこと。

     

    風間 今でも不登校児の保護者から相談を受ける

    けど、そういう所をもっと増やしてほしいとか、

    オンラインで学んだ証明をしてほしいとか。

    学びの多様化、個別最適化の環境を作るのが

    行政の役割。都の教育委員会はこの辺りが

    遅れているように見えます。

     

    保坂 そうですね。高齢の方とか障害をお持ちの方に

    対する福祉を東京都は積み上げてきているけど、

    児童福祉はとても遅れていた。一方で、実は若者も

    非正規労働で進学したくても日雇いの仕事

    しかなく、或いはヤングケアラーといった

    話もあるし、若い人たちを社会のプレイヤー

    としてしっかり支えていく仕事もこれから大事。

     

    ICTとの付き合い方

    最後に、小中学生に配られているiPadを

    どう使ってほしいとお考えですか。

     

    風間 iPadが小中学生全員に支給され、

    子供たちが家でも自由に学べる環境ができた。

    一方で、まだ現場の先生方が対応し切れてない

    けれど、先ずは子供たちの自由に学ぶ環境が第一段階。

    今後、これを活用して子供たちの学びを

    どう深めていくかが課題。

     

    保坂 よく保護者からYouTubeにはまりこんで、

    取り上げたいけどどうしたらいいか?と。

    10年も15年も見続けて行くわけではないから。

    ゲームにはシナリオとか絵とか音楽とかいろんな

    要素が入っているので、ものを創る楽しさと学びを

    うまくつなげてあげるのも必要だし、特にiPadは、

    これからICTと無縁には生きられないので、

    小さい頃から慣れておくということは

    絶対的に必要。国際交流もできるし。

     

    風間 区立中に通う息子が支給されたiPadを

    使って部活動紹介動画を作った。新入生を前に

    口頭でプレゼンするより動画でやろうという

    流れになったようで、バレー部の仲間たちと

    作った動画が大変評判が良かったと。

    誰かに求められたものでもなく、自分たちで

    作ってみようというところから始まって、

    まさに創造性が発揮されたのだろう。

    学校現場でも、小学校の高学年でそういう事を

    やる子が出てきているから、授業で、もしくは

    STEAM教育の流れの中で活用していけるといいと思う。

     

    保坂 ICTだけ勉強していればいいということ

    ではなく、社会がどうなっているのだろう?

    自分にはどういう風に見えるかを映像で

    表現するとか、大事だと思いますね。

     

    風間 まさにネットで得られる二次情報だけで

    完結することの危険性は多くの保護者も

    感じている事だと思うけれども、

    自分で一次情報を取りに行くことで

    自分で考えていく、そんな教育の仕組みを

    今再構築しなきゃならないと思いますね。

     

    保坂 是非、東京都でも連動して、小学生・中学生が

    行きたくなるような高校とか、

    高等教育機関を発展させてほしいですね。

     

    風間 ありがとうございました。

     

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