大阪市の民間校長退職の大罪
風間は議員になる前から、
硬直化した公教育現場に民間人校長の導入が必要だと考えてきましたし、
当時の杉並区和田中学校長藤原さんともコミュニケーションをとってきましたから、
世田谷区議になってからは、世田谷での民間人校長導入を求めてきました。
ということで、このニュースに関しても触れないわけにはいきません。
この退職した校長、東大卒で外資系金融を4社渡り歩いて民間人校長に応募したそうで、
本人は自身満々、どんな仕事でもこなせると思ったのでしょうか?
また、本人が強みだとアピールしたグローバル教育や英語教育など
をすぐに学校現場で取組ませてもらえると思ったのでしょうか?
または、新たな自己実現の場として職業選択したつもりでしょうか?
「不祥事ではないから謝罪するつもりはない」とのことですが、
少なくとも、年度の途中で学校現場のトップが自己都合で辞め、
子どもや保護者、部下である教職員に影響を及ぼすわけですから
「ご迷惑をおかけしすいません。」と謝罪するのは
一般的な常識なのではないでしょうか?
このような人物を子ども達への教育現場に投じた市教委の罪は重いと感じます。
この校長は、配置や給与に不満があったと言っていますが
こんな事は就任前に確認しておくことができたでしょうし、
納得いかないなら「やめてもらう」という解決ができたはずです。
そもそも、そんな感覚で校長をやりたいなどという覚悟のない人物を
採用すべきでなかったのです。
明らかに、採用から事前研修、労務といった人事対応全般に
問題があったと言わざるを得ません。
風間は公教育に民間手法を取り入れることは必要だと今でも感じています。
現場出身の校長で、とても仕事ができて熱心に取組む人たちはたくさんいますが、
事なかれ主義で何も新たに取組まない人も結構います。
一方で民間出身はどうかと考えると、
公立校の現場に関しては何ら経験がないという人で、
基本的な校長としての職務をいきなり全うできる人など
それほどいないのではないかとも考えます。
だからこそ、民間人校長を導入するのであれば
取り入れる側(自治体や教委)がどんな課題をどのように解決するか、
それを解決できる人材要件を明確にして採用し、
現場で期待どおりに活躍できるよう環境づくりをしていかねばなりません。
僕は、これを世田谷でもやるべきだと要求してきました。
橋下市長の肝入りで取組んだ大阪市ですが、
市教委側は主体的にこのように取組んだわけではなかったということなのでしょう。
その意味で、橋本市長が「教委に責任がある。僕には人事権がないから」
と発言したのでしょうが、政策を教委に押し付けた以上、
もう少し責任感じてもらいたいものです。
杉並区の和田中にしても何人もの民間人校長を登用している横浜市にしても、
民間人校長を現場に入れる前には首長と教委が連携して相当な準備をしてきています。
義務教育過程の公立校の長が為すべき仕事が何なのか?
を理解しているのは大前提ですし、
その上で、経験を活かしたさらなる付加価値を付けようと
民間人校長になった方々は相当に努力されてきたわけです。
今回の件は、「やっぱり民間人校長はダメだ」という論調で報道され
学校教育改善の取組みとしての民間校長制度は
完全否定という世論にになりかねませんから、
今回の大阪市教委と退職する校長の罪は大きいと考えます。
皆さんはどう考えますか?