区立幼稚園の用途転換や教科日本語の問題点など
今日は文教常任委員会に出席しました。
区立幼稚園の用途転換の方向性についての報告があるということで、
たくさんの親子傍聴者がいらっしゃいました。
今回は以下10件の報告事項の聴取を行いました。
この中でも3つのトピックについて簡単に報告します。
まず(3)「区立幼稚園のあり方に関する基本方針及び用途転換の方向性」(案)について
9つある区立幼稚園を廃止し、用途転換を行う方針については既に報告していましたが、区立幼稚園在園児保護者を中心に存続要望などが出されていました。
その声を反映したのか、今回の報告では
・ 区立認定こども園を3〜5園
・ 私立認定こども園を2〜4園
・ 教育関連施設を1〜2箇所
に転換する方針とのことでした。
これまでは認定子ども園と私立認可保育園と教育施設という方針だったので、
保育園待機児童解消については若干後退の印象はあるものの、
初めて出された区立認定子ども園については大変興味深いものがあります。
区立幼稚園の廃止については、議会からも配慮を要する児童の受け入れ先がなくなるのでは?との懸念を指摘されていた為、その機能を残す意味では区立認定子ども園は新たな取り組みとして評価できます。
しかし風間は、現在の区立幼稚園の敷地は園庭もあり、場合によっては改築(建て直し)するということだと、かえって人気園となって激戦になることを想定しなければならず、選考基準などをしっかりと考えていかねばならない、と指摘しました。
平成28年度より順次段階的に実施する予定とのことなので、
計画の進捗状況を注視していく必要があります。
次に(4)通学路における緊急合同点検の実施結果及び対応について
今年度当初に通学路における児童の痛ましい交通事故が続いたことから
世田谷区でも緊急合同点検が実施され、約300箇所対策を行うこととなりました。
風間としては、今回の点検が警察や担当所管などが行ったものであり、薄暗い空き家前が通学路になっているなど保護者視点でリスクと感じる場所が反映されていないという声を聞くので、保護者視点も入れていくべきだと指摘しました。
最後に(7)平成24年度 教科 「日本語」に関する調査結果について
世田谷区が教科「日本語」の授業を開始して6年目を迎え、
今後この授業をさらに充実させる上での資料とするため、
内容や授業に関する調査を実施したと報告がありました。
報告ではアンケート結果から児童生徒、保護者、教職員はそれぞれ「日本語」の授業に対して肯定的な回答をしており、教職員は教育委員会に対して資料等、指導事例集の充実を50%以上求めている、との報告でした。
風間はこれまでにも教科日本語の問題について具体的に指摘し、改善要求してきましたが、今回のアンケートも自分たちの取組みを正当化しやすい安易なものであり、調査の仕方そのものに問題があると指摘しました。
まず、今後さらに充実させる為の調査に専門家の視点が全く入っていないという大きな問題があります。
国語や日本語といった言語に関する専門家が調査に一切関わっていません。
アンケート自体は作成したのが教委内部の人間で、
調査に関する専門的知見を持っている人がいたとは到底思えない内容でした。
アンケート対象保護者はPTA役員のみ。これがサンプル調査だとしてもPTA
役員という属性があり、多様な保護者視点が反映されているとは言えません。
子ども達には「好きか?」「役に立つと思うか?」といった「問い」で、
肯定されやすい質問になっており
(学校の授業でやっているものを役に立つかどうか生徒が判断できるわけがない)、
そもそもコンテンツに問題があるのか?デリバリーに問題があるのかも
見いだせないアンケートでは、何を改善すべきなのか見えてくるわけがありません。
この調査は本当に良い教科にする為ではなく、
自分たちの取組みを正当化し、期待どおりの結果を導きだす為の調査だ、
と言われても反論の余地はないはずです。
こんなものを堂々と議会側に報告して、議員も何ら問題を指摘しないわけです。
民間企業だったらこんな仕事、認められないと思う訳ですが。。。
教科日本語に肯定的な議員にとってはそれでも良いということなのでしょうか?
風間は日本語教育も大事ですが、国語でも十分取り組んでいると感じています。
むしろ、専門的に日本語や表現、哲学などを学んできていない教員が教えている
実態には大きな問題があり、国語の時間を増やす方が良いと考えています。
この教科日本語は貴重な総合的な学習の時間の半分以上を費やしてしまっていることが問題だと指摘してきました。
「せたがやで育てる世界にはばたく子どもたち」
を世田谷区の教育スローガンに掲げているなら、
もっと総合的な学習の時間は有効活用すべきだと。
皆さんはどうお考えですか?ご意見お気軽にお寄せ下さい!