子どもの死亡事故のその後
5年前のこと。
世田谷区で2歳5ヶ月の女の子が施設で亡くなりました。
亡くなったお子さんのお母さんは夜勤に出るシングルマザー。
世田谷区に相談し、子どものショートステイ事業を案内され
事故が起こった前の日の夕方、
3番目の幼子を児童養護施設に預け仕事に出かけたそうです。
この件を風間が議会でとりあげたのが、
4年前の予算特別委員会でした。
当時、風間も長男が2歳だったので
お母さんの悲しみを想像すると他人事とは思えず、
多少感情的に質疑したことを鮮明に覚えています。
こちらのブログでその時も報告しています。
当時、世田谷区は裁判に備えてなのか、遺族への謝罪がありませんでした。
遺族は「真相解明」と「心からの謝罪」であると伝えているにもかかわらず、
私の委員会での質問に、当時の区長からは一言もありませんでした。
この時のやりとりはこちらの議事録でご覧になれます。
あれから4年がたちましたが、区役所から2月28日に
遺族との調停がとり行われた、との報告がありました。
調停条項の要項には、
1)区が、調停の席上で遺憾の意を表す
2)区は、子供を夜間保護する世田谷児童保護事業において、
同様の事件の発生の防止に努力する事を約束する。
とありました。
一見、遺族の要望に応えたかのようでありますが、
真相を確かめるために久々に遺族(お母さん)に連絡し、確認しました。
1)については、席上にお母さんは仕事で立ち会えず、調停所の書面に残されただけ、
2)については、区の弁護士が「こんなことまで必要ですか?」といった対応だったそうです。
風間も3番目の子が娘でちょうど2歳5ヶ月ということもあり、
お母さんの悲しみや無念さに改めて共感し、
再び議会で取り上げようと考え、本日の予算委員会で取り上げました。
一問一答形式で質疑応答が行われたので、要旨をを下記します。
Q(風間):
5年前に起きてしまったショートステイ児童死亡事件についてですが、
当時の区、区長の対応、区の弁護士の対応は
誠意ある謝罪を求めていた遺族の悲しみを増幅させました。
今年2月に決定した調停内容に
「遺憾の意を示す」「二度と起こらないようにする」とありますが、
二度と起こらないようにする区の具体的対策はなんですか?
A(こども部長):
事務改善・運用マニュアルの改善、課題の共有など行い、
安心・安全でできるよう実施しています。
Q(風間)
具体的にどのような対策をとったのかをを聞いたのですが?
A(こども部長):
受付時の説明の統一、パンフレット等の説明へ署名、
年齢毎のマニュアルの見直し、施設にいる方とのショートステイを分ける、
など徹底しています。
Q(風間):
マニュアルなどの徹底をしたとしても、守られている状況なのでしょうか?
A(こども部長)
全力で取り組んでいる次第です。
Q(風間):
こどもが親元離れて、過ごす事には様々なリスクが生じると思いますので、
二度と起こらないような徹底をお願いします。
次に遺族の気持ちの面ですが、区に紹介された施設に連れて行かれたのに、
一言も謝罪がなく、「遺憾の意を表す」という事だけでした。
これは謝罪に値するのでしょうか?
遺族に伝わっていない状況はどう思いますか?
当時保坂区長は区長ではありませんでしたがどう思いますか?
A(保坂区長):
区としての「遺憾の意を示す」ことは「申し訳なく思っている」ことだと思うが、
遺族の方に伝わっているかどうかを加味しなければならなかったと思います。
そして、遺族の方への弔意と以前とは違うんだということを示していきます。
(風間)
遺族の方もこのやりとりをどこかで見ていると思うので、
機会があれば直接伝えてほしいなと思います。
実は、お母さんは委員会の傍聴に来ていました。
改善されていると知り、少しホッとしたとのことでした。
どんなに謝られても、娘さんは帰ってきませんから
悲しみや無念さがなくなることはないと思いますが、
保坂区長の答弁は良かったとおっしゃっていました。
私達議会人としても、このような悲しい事が再びおこらないよう
行政をチェックしていかねばなりません。
改めてそう感じた1日でした。