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学校での柔道事故をなくす為に

本日午後、衆議院議員会館にて行われた 「第2回学校における柔道事故に関する勉強会」に参加してきました。   来年度からはじまる中学校保健体育における武道必修化を前に、 全国柔道事故被害者の会の方々が懸命に活動をされてきたようで、 勉強会には、国会議員や秘書、地方議員など大勢参加しており、 マスコミもカメラ7台入っていました。   勉強会では、まず脳神経外科医でスポーツドクターの野地雅人氏から 学校現場における柔道事故の現状と対策についての講義がありました。 judo1.jpg    コンタクトスポーツは、脳の加速損傷リスクが高く、 柔道では体格差がある場合も多く、そのリスクはさらに高くなるとのことでした。   また、締め技による脳虚血・意識消失・頸動脈の圧迫のリスクがあるにも関わらず、 日本では柔道事故がなくならず、 その要因として、 ①しごき文化の蔓延(虐待といっても過言ではない) ②指導者のスポーツ医学的知識の欠落 があるとのことでした。   続いて、柔道事故被害者家族(遺族)から事例紹介がありました。 judo2.jpg   中には、指導者から中学生には不適切な危険度の高い技を欠けられ 被害者になってしまったという事例もあり、 武道の必修化ということは、子どもを持つ親だれもが 抱えるリスクであると感じました。   さらに、全国柔道事故被害者の会より、 柔道事故に関する現状が紹介されました。   ①柔道事故被害者数(日本スポーツ振興センター資料) 過去28年間の死亡者数・・・114名 過去27年間で障害残った人数・・・275名   ②柔道事故死者数(全日本柔道連盟資料) 2009 年・・・7名死亡 2010年・・・7名死亡 2011年・・・調査したが隠蔽され教えてもらえない   しかし、これらの数字に反映されない被害者は 本当にたくさんいるとのことでした。   中には、学校側の事実隠蔽や原因転嫁などで 責任を回避するようなことが実際にあったそうです。   中学校における部活での死亡事故は、他のスポーツに比べ 柔道が群を抜いて発生数が多いとのことでした。   一方で、近年、日本以外の国では、 18歳以下の柔道事故による死亡者・脳損傷者はいないそうです。 日本の3倍の柔道人口がいるフランスでさえもです。   柔道事故は減少しておらず、部活動での事故は増加していますが、 対策次第で重大事故は無くすことができるわけです。   重要な要素は指導者にあるとのことでした。 必ずしも柔道経験者が指導者・教育者として適切というわけではないということです。   世田谷区内には、柔道の金メダリストを輩出した大学などもあり、 武道必修化に向けて区は、非常勤講師を配置するとのことでしたが、 この人たちが医学的知識がある人なのかどうかも 確認していかねばと思いました。 この勉強会では、文部科学省審議官から対策などの話もありましたが、 話を聞く限りでは、重大事故リスクはなくならないと感じました。   これ以上、子どもの柔道事故被害者を増やさない為に 熱心に活動してこられた被害者の家族の方々の取組みを無駄にしないためにも、 我々はより現実的な対策に取り組んでいかねばと感じました。   今月から始まる区議会定例会で取り組んでいきます。

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