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平成19年第2回定例会一般質問と答弁

民主連の風間ゆたかです。通告のとおり三点質問いたします。  まずは一点目、区立小中学校の今後のあり方について、二つの観点から質問させていただきます。一つは民間人校長の採用について、もう一つは新しいカリキュラム導入における民間団体の活用についてであります。いずれの観点も、首都東京において最多の区立小中学校を有する世田谷区こそが、これからの日本をリードする人材育成を公教育の現場にて行っていくべきだという考え方に基づくものであります。  この国は、もはや安定的に経済成長し続ける時代ではなく、大企業だけではなく、成長産業としてもてはやされた企業ですらリストラ、倒産といったことが現実に起こる時代ですから、みずからの生き方はみずからがデザインしていかなければならないというような状況であります。そのような社会で生き抜いていくために必要な要素を、義務教育課程からはぐくんでいく必要があると考えます。このような教育は現場の先生方だけで行うのはやや困難であり、そのためにも民間の力が活用されていくべきだと考えますが、まずは教育長にこのようなお考えがあるのかをぜひともお伺いしたいところであります。  そして、各論に入りますが、まずは民間人校長の採用について。現在、東京都内には、教員経験を有さない民間企業出身の校長が、杉並区と足立区において一人ずつ登用されております。都内での義務教育段階で最初の事例となった杉並区立和田中学校ですが、若井田教育長の後輩と聞いております藤原校長先生は、民間企業出身の経験を生かしてさまざまな独自の取り組みを行い、毎週のように全国各地から大勢の人が視察に来られている、こんな状況であります。特に、校長みずからカリキュラム開発し授業を行うよのなか科は、通常の授業では触れることのないさまざまな実社会の分野をテーマにし、生徒に考えさせることによって多大な好影響を及ぼしている、そんな姿を私は何度も目の当たりにしてきました。  また、足立区立五反田小学校に関してですが、コミュニティースクール研究指定校として、さまざまな学校現場の課題を解決していけるリーダーを採用すべく、教育関連の企業にてマネジメント経験のある人材を探したそうであります。教員経験豊富なそれまでの校長が解決できなかった課題を次々と解決していったと聞いております。  このような大きな成果を見込める民間人校長の採用に関して、世田谷区も積極的に行うべきだと考えますが、どのようにお考えでしょうか。  もう一つ、新しいカリキュラム導入における民間団体の活用についてであります。総合学習の導入以降、職業や経済活動関連など、実社会を学ばせる教育に関しては全国各地の教育委員会が民間団体とタイアップし、新たなプログラムを教育現場に取り入れております。これに関しては経済産業省ですら支援しているほどであり、起業家教育促進事業や地域自律・民間活用型キャリア教育プロジェクトなどが挙げられます。私も前職では企業サイドでかなり携わってまいりましたけれども、ここ数年間で全国数十の教委が経済産業省の採択した民間型のプログラムを取り入れており、この効果は第三者評価や有識者評価などからも実証済みであります。  二十三区では、十五年度以降千代田区が導入しており、その影響を受けて目黒区なども独自予算化で導入しております。残念ながら、世田谷区では都教委を通じて二つの中学校がキャリア教育のプログラムを取り入れていると聞いておりますが、経済産業省支援事業以外にも、品川区などは全国に先駆けて、平成十四年度より、あるNPO団体が提供する米国内で大変高い評価を得てきたプログラムを全小中学校で導入し、教育関係者だけでなく、保護者からも大変な評価を得ております。  これら教育関連の民間団体とタイアップすることのメリットは、現場の先生方への負担が少なく、有効なプログラムを子どもたちに提供できるということにあります。文部科学省の研究指定校のように、現場の先生方が膨大なレポートを作成する必要もありませんし、先生方が研修で何日も拘束されるようなことはありません。タイアップする団体によっては、コストがほとんどかからない場合すらあります。  残念ながら、世田谷区内ではこのような民間団体の活用が各学校ばらばらであり、区として質の担保がなされていないような状況かと思われます。保護者の立場からすると、学校選択ができないわけですから、教科外で生きる力をはぐくむ総合学習の質は少なくとも区として担保すべきですし、できればほかの区のように優良なプログラムを民間団体とタイアップして推進すべきと考えますが、教育長の見解をお聞かせください。  引き続き二点目、子育て環境の改善についてお伺いします。今回は特に保育園待機児童解消についてお伺いします。五つあります。  まずは、中村議員が既に質問しておりますけれども、明確な答弁がなかったので改めてお伺いします。平成二十年度までに前倒しとなった千人増設ですが、これによって実際に待機児童はゼロになると現段階で見込まれているのでしょうか。  二つ目、予測を上回る形で子どもがふえているわけですから、さらなる解消のための修正プランが必要かと思いますが、完全な待機児童ゼロ化を何年度までに実現すると目標設定しているのかをお聞かせください。  三つ目、区長は東京で最も子育てしやすい町世田谷を掲げていますが、どのような指標と数値目標でこれを達成するとお考えなのでしょうか。  四つ目、東京で最も子育てしやすい町どころか、保育環境に関しては東京で二番目に子育てしにくい町ということになっている事実を区長はご存じでしょうか。平成十八年四月一日現在の厚生労働省発表によりますと、待機児童数が東京では足立区に次いで多く、全国ランキングでも、政令指定都市を除けばワースト六位という残念な状況であります。  昨日、子ども部の部長が提示していた昨年度の待機児童数は世田谷独自算出のものであり、厚生労働省に報告している数字よりもはるかに低い数字であることも問題ですが、ゼロ歳児に関しては、年度途中に生まれることもあり、年度初めの待機児童数にはカウントされていません。実際の待機児童数はもっと多いわけであります。東京で最も子育てしやすい町を目指すのであれば、このような年度の途中で生まれたゼロ歳児も希望時期に合わせて預けられる環境をつくるべきですし、認可園に入れず、仕方がなく割高で庭がない認証保育所やベビーホテルに預けている乳幼児も待機児童にカウントすべきだと考えます。  他区の一例ですが、北区に住む私の友人などは、ゼロ歳児で、年度途中に近隣の公立私立合わせて三つの保育施設を自由に選べたそうであります。  そこで五つ目、東京で最も子育てしやすい町を目指すのであれば、子どもを預けることを望むすべての人が待機することなく預けられる状況を目標とすべきですが、区としてこのような目標を掲げているのかどうかをお聞かせください。  以上、五つの質問について端的にご回答願います。  最後に、田園都市線駒沢大学駅付近の駐輪スペース設置についてお伺いいたします。  駒沢大学駅は一日平均六万五千人もの乗降客がいるそうですが、駐輪スペースは二四六の北側にわずか五百四十一台分があるだけで、常に満車という状況です。一つ渋谷寄りの三軒茶屋駅は平均十一万七千人が一日に乗降し、駐輪場は五カ所で二千百二十四台分、もう一つ渋谷寄りの池尻大橋駅は平均五万三千人が一日に乗降し、駐輪場は二カ所で九百七十台分が設置されていることと比較しても、駒沢大学駅は乗降者数に対して駐輪スペースが圧倒的に少な過ぎる状況です。ですから、放置自転車がなくならないわけであります。  ちょうど一年前の定例会一般質問にて、下山さんが同様の質問をしております。その際の答弁では、「厳しい状況であることを認識し、引き続き取り組んでまいりたいと考えてございます」とありました。  そこで質問ですが、この一年間で、駒沢大学駅の駐輪スペース確保に向けてどのような取り組みをしてきたのか、ぜひともお聞かせください。  以上で壇上からの質問を終わらせていただきます。    〔若井田教育長登壇〕 ◎若井田 教育長 一点お答え申し上げます。  学校教育が学校の中だけで完結する時代は過ぎたと考え、世田谷区では地域とともに子どもを育てる教育を推進しているところでございます。  以上でございます。 ◎髙山 教育改革担当部長 私は、区立小中学校の今後のあり方ということでお答えいたします。  まず、民間人校長の登用につきましてお答えをいたします。  校長は、教育者であるとともに、学校を経営する経営者でもあります。校長には、教育者としての深いまなざしを持った教育の専門家としての能力と、学校経営の責任者として強いリーダーシップを発揮し、学校改革、学校改善を推進する能力が求められます。  民間人校長を登用しました全国の例を見ますと、さまざまの事例もあり、また課題もあると認識しております。世田谷区では、教育ビジョンに基づき平成十七年度より学校経営塾を創設し、校長や副校長を対象に、区内外の第一線で活躍されている民間企業の経営者や学識経験者から経営者としての視点や手法を学ぶ場を設け、学校経営の効率化、活性化に向けた改善の取り組みを推進しております。  もう一点、民間企業のプログラムを活用し、実社会等キャリア教育の取り組みが必要ではないかというお話についてお答えをいたします。  小学生段階から、子どもたちが働く意義を理解し、将来社会人、職業人として自立していくことのできる力をはぐくむキャリア教育の取り組みは大変重要であると認識をしております。教育委員会では、小学校からのキャリア教育の啓発資料を作成し、各学校に周知するとともに、すべての区立小学校にキャリア教育担当教員を置きまして、実体験を重視したキャリア教育の充実に取り組んでいるところでございます。一例でございますが、九品仏小学校では、三年生が地域のお豆腐屋さんに行きまして、実際にお豆腐をつくったりするような体験、あるいは砧中学校では、すべての生徒がさまざまな職場体験を通しまして仕事の意義を考える、こういった学習も実施をしております。  このように、教育委員会といたしましては、地域の人々が働いている場、地域の人と接する中で、子どもたちが実体験を通して働くことの楽しさ、厳しさを実感することができることが大切であると認識をしてございます。今後も区内の商業、工業、農業等の民間事業者等のご協力を得るなどいたしまして、キャリア教育の一層の充実を図ってまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 ◎藤野 子ども部長 保育待機児につきまして、五点ご質問をいただきました。あわせてご答弁申し上げたいと思います。  区は、保育サービス待機児の早期解消を図るため、子ども計画を前倒しし、二十年四月までに受け入れ枠千名を拡充するべく、全力を挙げて取り組んでいるところでございます。本年度におきましても、認可保育園の増設等、この達成に向けて全力でただいま取り組んでいるところでございます。あわせまして、本年四月には、区立幼稚園を用途転換し、幼保連携型の私立認定こども園を二園開設したところでございます。  こうした新しい取り組みも含めまして、区長が掲げます東京で一番子育てしやすい町の実現に向けまして、全力で取り組みを進めてまいりたいと思います。今後とも地域の実情、保育ニーズを十分把握しながら、議員ご指摘のように、今年度中にも新たなサービス利用の申請をなされる方々への対応を含めまして、私立幼稚園の預かり保育制度、認定こども園制度の有効活用など新しい取り組みを含めながら、保育サービス待機児の早期解消に向け、全力で取り組んでまいりたいと思っております。  以上でございます。 ◎春日 交通政策担当部長 それでは、駒沢大学駅の駐輪場の確保への取り組みにつきましてお答えいたします。  駒沢大学駅には五百四十一台収容の駒沢駐輪場を整備してきたところでございます。しかしながら、放置自転車は約四百台と多く、駐輪場の整備が必要であると認識しております。区ではこの間、駅周辺の駐車場や未利用地の活用等の検討を行うとともに、既存の駐車場の通路等を活用しまして、収容台数を百五十台ほどふやすなどの対応を図ってまいりました。  駅への自転車利用者の状況を見ますと、駅勢圏を越えまして、南側は二キロ離れた東深沢小学校や中学校まで、北側の方では弦巻通りまで、広範囲に広がっております。また一方で、駅に近い方や目黒区の方も利用者が少なくない状況がございます。駅周辺にまとまった場所を確保することは大変厳しい状況でございますが、駅に近い方に自転車利用の自粛を呼びかけるとともに、目黒区、地元とも協力し、引き続き民間駐車場の誘導や既存施設の有効活用等整備に向けて検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◆三十八番(風間ゆたか 議員) 再質問させていただきます。  まず、教育委員会にですが、民間校長に関してでありますけれども、平成十四年第二回定例会でも同様の質問がありまして、教育長は当時教育指導課長だったかと思いますが、教育長からの答弁では、導入校での課題や効果を踏まえながら検討してまいりたいとありました。その後どのように検討してきたのか、よろしければご回答ください。  そして、民間プログラムの活用に関してですけれども、区内の事業者とありましたけれども、教育プログラムですから専門家に任せるべきだと考えておりまして、そういった民間プログラムを導入していくということに関してのお答えをいただいていませんので、検討していくのかどうかをお答えください。  続いて、保育環境に関してですけれども、五点の質問どれもちゃんとした答えを答弁いただいておりません。平成二十年度の千人増設によって解消されるのかどうか、イエスかノーでお答えいただければと思いますし、区長がこういったワーストツーという事実をご存じなのかということにもお答えいただければと思います。  また、区長は我々の世代、子育てを始めた世代にとっては親よりも一回り以上も先輩ですから、大変遠い存在であります。ですから、我々の世代としてみれば、本当に子どもを育てる環境を改善していくということに本気で取り組んでくれるのか、やや心配でもあります。  以上で再質問を終わります。 ◎髙山 教育改革担当部長 お答えをいたします。  まずは、民間校長の導入側の検証というお話でございます。  私どもは、お隣杉並区の校長も民間人の方でございますので、さまざまの状況を承知してございますが、今ご答弁申し上げましたとおり、学校の校長は経営者であるとともに教育者、二つの側面を持っておりますので、成功されている事例もあるかと思いますし、また、やや困難な状況になっている校長もいると、こういう認識でございます。  いずれにしましても、私どもはまだ課題があるというふうに民間人校長の登用については認識をしてございます。  二点目の、民間のさまざまな教育のプログラムにつきましては、私どもも十分承知しておりますし、さまざまな自治体あるいは民間の企業のさまざまなプログラムについても研究をしてございます。今後も、世田谷区の教育委員会といたしましては、さまざまな教育のプログラム等につきまして研究、検討を続けていきたいと考えてございます。  以上でございます。 ◎藤野 子ども部長 千名枠を達成することによって待機児が解消するかどうかにつきましては、私どものこの前倒し計画の段階では、解消するということで計画を前倒ししたところでございます。  なお、その後も引き続き女性の就労環境の改善などによりまして保育サービスを希望する方がふえているということは重々承知しておりまして、新しい取り組みを含めまして、実質的に待機児が解消できるよう全力を挙げて取り組んでまいりたいということでございまして、その点につきましては今後さまざま議会の方にもご相談、ご提案をしてまいりたいと思いますので、その中で十分議論をさせていただければというふうに考えてございます。いずれにしても、全力で取り組んでまいりたいというふうに思っております。

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