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区教委へ緊急要望書を提出

新型コロナウィルス感染拡大による、
緊急事態宣言の延長に伴い、
世田谷区立小中学校の休校措置も
5月末まで延長となりました。

 

保護者からは様々な意見が寄せられています。

 

「オンライン授業を導入してほしい。」

 

「課題受取りの為に学校に来させるのは問題だ。」

 

「早く学校を再開してほしい。」

 

など、内容が対立する要望も多いのです。

 

私たち世田谷立憲民主党社民党は、
連休中にもオンライン会議を行い、
各議員に寄せられた多様な意見を集約し、
学校教育に関する課題を整理し、
改善策をまとめました。

 

そして、連休明けの本日、
世田谷区教育長に緊急要望書として
会派を代表して提出してきました。

教育長室にて

 

渡部教育長だけではなく、実務を仕切る
教育委員会事務局No.2の教育総務部長、
No.3の教育政策部長にも同席願いました。

 

そして、皆さんから寄せられた声を伝え、
今後の対応方針なども伺いました。

 

私たちが求めた緊急要望については

「真摯に一つづつ取り組んでいく」

と渡部教育長から返答がありました。

 

以下、長文ですが今回提出した要望書です。

新型コロナウイルス感染拡大抑止のための一斉休校延長に伴う対策についての緊急要望


 一斉休校という不測の事態への対応に日夜奮闘されている教育委員会のみなさまの取り組みに敬意を表します。
さて、5月7日以降の休校延長が決定し、世田谷区立小中学校の児童生徒は5月31日まで学校に行くことができない状況となりました。それにより、本来学校で行ってきた授業に替わって、家庭での学習に頼らざるを得ない状況が続いています。その際、教育委員会や学校からの課題学習などの情報がすべての家庭に届いておらず、困惑している方々からの声が届いています。また、学校からの学習課題を進めるにあたり、各家庭の事情に配慮する必要があります。
さらに、学習習得以外の機能(クラス活動や遊び、教員や友だちとの交流、規則正しい生活習慣、困難を抱えた家庭の把握等)が失われることによる懸念が具体的に見え始めました。この状況下でも児童生徒同士が交流できる方法を模索し、教員が児童生徒と定期的に繋がり、学校が児童生徒の状況を把握していくことは喫緊の課題です。
以下、教育委員会への緊急要望としてご提案申し上げます。

1. 区教委や学校からの情報周知の仕方について
これまでも区教委や学校からのお知らせは「一斉メール」によるものが中心でした。しかし、必要な情報に行きつくまでの過程が数段階におよび、環境によっては最終情報にたどり付くことなく、学習課題や今後のスケジュールを把握できでいない家庭があります。これは子どもにとっての学習機会の損失、家庭格差が生まれる要因となります。特に孤立している家庭は顕著にその差が現れます。

① 情報伝達を改め、周知を徹底する
・区教委や学校からのお知らせは一方的に情報発信するのではなく、どのような状況の家庭でも「伝わる内容・方法」を徹底すること。
・学校からのメールは必要な箇所にすぐに飛べるリンクを貼ること。
・情報にたどり着けなかった場合や、不明点がある場合の連絡先を必ず設けること。
・PDF資料については母語が日本語ではない保護者に配慮をし、画像ではなく、Google翻訳可能なPDFにすること。
・障害のある保護者に対しても情報提供のあり方については配慮すること。
② 保護者に教育委員会と学校が目指す方向性と現状が伝わるよう改める
・学校からの具体的なお知らせ(例えば5月7日からの学習課題)は区教委の見通している計画のどの段階にあたり、どういう過程を今進めているのかが把握できるような広報をすること。
・学習課題の提示だけではなく、「決定プロセス」「目指していること」「今、できること・できないこと」などを保護者が状況を把握できる説明も補足すること。

2. 学習課題と評価のあり方について
休校が始まって以来、学校ごとの課題がホームページに掲示されています。各々の学校の方針は尊重しますが各校の課題量や計画の示し方の違いがあります。また、課題によっては、保護者の負荷が大きく家庭間の格差が生じるため、「提出したプリントをみて学習評価がされること(※)」への不安と困惑の声が届いています。休校期間中の家庭学習を学習評価の対象にすることには問題があり、世田谷区立小中学校では対象にすべきではないと考えます。
(※)文科省が4月10日に示した「家庭学習を学習評価の対象にできる」「各校の校長は家庭学習の成果が十分だと判断した場合、指導内容を授業から省くことができる」という通知への反応を示すものと思われる。

 ・学習課題提示にあたり、保護者の状況(共働き、シングル家庭、情報リテラシー等)や家庭環境(デバイス、通信、プリンターの有無等)への配慮と対策を講じること。
 ・プリント学習の回収と返却のみで「学習評価」を行うことがないようにし、その旨を事前に通知すること。
 ・一律の学習課題を提示するのみにとどまらず、児童生徒の学習習熟度に応じた課題も提示すること。
・課題に取り組むことが困難な状況の子どもへの教育虐待等が起こらないよう配慮をすること。
・配慮が必要な児童生徒に対しても課題についての配慮をすること。
 ・学校再開時には、学習計画を含めた年間スケジュールや学習評価方針を速やかに通知すること。

3.「教師と児童生徒」、「学校と保護者」「児童生徒同士」のコミュニケーションについて
休校からの2か月間、区教委や学校から一方的に情報が届くものの、家庭や児童生徒とコミュニケーションがとれているとは言い難い状況にあります。また、教師と児童生徒のコミュニケーションも電話に限られている上に頻度も低く、学校や担任によってばらつきがあり十分とは言えません。そのことを起因とした保護者の不安や不満が今後も増大することが考えられます。休校延長や今後の見通しが見えない中、児童生徒と教師のオンラインによる双方向コミュニケーションを望む保護者の声は今まで以上に高まっていますが、導入できない理由を「オンライン環境にない家庭への配慮のため」とすべきではありません。
 
 ・オンライン環境にない家庭の把握を具体的にすること。漠然とした想像での議論ではなく、定量調査、及び、定性調査を一斉に行うこと。
 ・積極的にオンライン活用を始める学校もあるが、このような取り組みの導入を希望する学校について教育委員会はそれを支援すること。他自治体で行われ始めている「オンライン朝の会」「オンラインホームルーム」等、授業に限らずできること、できる学校・学年から取り組むことを認め、教育委員会は最終的にすべての区立小中学校で導入されるよう支援すること。
 ・オンライン環境の整わない家庭には別の手段により丁寧なフォローをすること。
 ・各学校のオンライン環境と教師のデバイス環境を整えること。

4.児童生徒の心のケアと福祉部門との連携について
4月22日の文教常任委員会報告では、「学校休業以前から学校として留意していた事案への継続的な対応が中心であり、学校休業期間中に新たな事案として子ども家庭支援センターにつながった事案はほとんど見られていない。」とありましたが、休校が長引く中では、今まで何事もなかった家庭においても留意をする必要性があります。家族と密に過ごす時間が増えたこと、保護者の就労状況の変化などは子どもの心理面などに大きな影響があることは、実際の保護者からの声でも確認ができています。

 ・教師が子どもと対話を行うことで状況の把握に努めること。また、必要に応じて相談場所を提示すること。(SC、せたホッと、子どもSOS等)
 ・困難を抱える家庭や子どもを支援につなげる具体的方法を区教委から学校(教師)へ明確に示すこと。
 ・給食がないことによる食費の負担が大きくなっていることを鑑みて、教育委員会や学校を通じて「子ども配食事業」を積極的に案内すること。

以上

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