「風間ゆたか」ホームページ > 河野鉄平写真展@東北沢 アフガニスタン編

今日は、写真家の後輩の個展が区内で開催されるとの案内が来ましたのでお知らせします。
写真家河野鉄平氏は選挙前に風間の写真をとってくれました。
事務所を盛り上げようと、事務所内個展もやってくれました。
アフガニスタンやイラクという戦場をイメージさせる地域で、懐かしい自然や子ども達の笑顔など、安らぎを与えてくれる写真を撮ります。
お近くの方、是非ご覧下さい!
以下、本人からの案内です。
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河野鉄平写真展
「Millions of pawderd suger falling on the pancakes」
アフガニスタン編
【場所】
東北沢 現代ハイツ内「ギャラリーDEN」と「DENST」
地図→http://www.gendaiheights.fc2.com/
東北沢からが一番近いです。
【会期】
7月24日~8月9日 13時~22時
水曜定休日 (初日は20時より、最終日は18時まで)
26日、27日、8月2日、3日、9日は在籍予定。
★27日は15時までいますが、その後席を外します。
22時ころ戻ってくるかもしれません。
【展示作品】
2度目に訪れたアフガニスタンの写真群で新作です。
アクリルマット大全紙 15点
半紙 5点
大4つ 50点
6つ 50点
※写真作品随時販売します。
※今回写真アルバムはありません。
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★重要なお知らせ★
24日よりはじまる個展ですが、諸事情によりまして、
写真作品がすべておそらく24日の展示に間に合わない可能性が高くなってきました。
27日までには完成する予定です。ほんとうにすみません。
ただメインの大全紙サイズの写真などは24日に展示できます。
簡単に言ってしまえば、「日を追うごとに写真が増えていく」ということです。
※今回は現代ハイツさんのギャラリーにて個展を開催します。
素敵なカフェが併設していますので、
会社帰りにふらりと立ち寄り、コーヒーやお酒が楽しめます。
ごはんもオーガニックなこだわりメニューが揃ってます。
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この時間のチャイハネは、人も少なく静かだ。
込み合えば50人ほどは入る大広間に、2,3人の客しかいない。
彼らは皆たばこを燻らし、ちびちびとチャイを口に運ぶ。
傾きはじめた陽の光が窓から射し込み、敷き詰められた赤い絨毯の上に、光の波紋を広げながら落ちる。
とにかく、この束の間のチャイハネが好きだ。
あと数分もすれば陽は落ちて、ここバーミヤンからカブールへ向かう旅人でこの場所も大変な賑わいを見せる。
陽が完全になくなる前に、宿に戻らなければならない。
宿の人間が恐ろしく心配するということもある。
しかし、ここで一夜を明かす旅人たちの好奇の視線に晒されるのが面倒だというのが一番の理由だ。
人懐っこく、温かく、心優しい彼らのスキンシップが、早くも辟易してきた自分の姿に、あれほど熱望していたはずの2度目のアフガニスタンへの旅路の程度をそれが反映しているようで、我ながら嫌気がさす。
ここから先に進まなくてはいけない。
でも、そこに自分が撮りたい風景が果たして本当にあるのだろうか。
期待と失望はいつも背中合わせだ。
とくにこんな遠くまで来て、こんな寒い場所まで来て、失望したくはない。
この国はチャイを2種類用意する。
緑茶と紅茶。それぞれ「チャイサヴス」「チャイシア」と呼ぶ。
チャイハネでは普通、チャイがステンレスの小さなポットに入れられてグラスと共に運ばれる。
グラスには、スプーンで一杯ほどの砂糖がすでに入っている。
時々グラスの半分ほどが砂糖になっている人がいて、気の毒に思う。
そこに熱いチャイを注ぐ。
白い砂糖が不透明なチャイの中をゆっくりグルグルと回る。
ここでは、スプーンなどで砂糖を溶かしたりはしない。
必然、チャイの底に砂糖は沈む。
かき混ぜずにそのまま飲み、チャイが少なくなって甘さが増してきたところで再びチャイを加えていく。
不透明な液体の中を気ままに泳ぐその風景が、なんだか不思議に、ここがアフガニスタンであることを実感させる。
明日、ここを発とうかどうか。
早朝の出発は気が滅入る。
寒さが尋常でない上に、漆黒の闇。そこから旅立つのは至難の業だ。
チャイハネを出ると、日はだいぶ傾き、寒さが一気に加速していた。
宿は傾斜の急な崖を上がっていかなくてはいけなくて、それも一苦労だ。
この間は、日が完全に落ちてから宿に戻り、宿主があたふたとしていたものだから、今日はなるべく早く帰ってやらねばならない。
しかし、早く帰ったところでやることもないし、とにかく寒いから寝るしかない。
まだ始まったばかりの旅なのに、どう時間をつぶすかしか考えていない。
この国で何を見たいのか?何を見たかったのか?
急な勾配の崖を上がり切ると、すぐに宿が見える。
標高の高いこの場所では、こんなたいしたこともない崖を上がるだけでも息が切れる。
それでも、ここからの眺めは最高だ。バーミヤンの遺跡群を俯瞰で見渡せる。
少しばかり息を整え、今日もここでこの眺めを堪能する。
吐く息が真っ白で、ずいぶん遠くまで伸びていく。音はなく、自分の呼吸のそれだけが静かに流れる。
僕は遺跡を背にして宿に戻ることにする。
くるりと体を反転させると、そこに空があった。
それは、夕陽の沈んだあとの陽の残りであった。地平線の彼方に今にも消え入りそうな美しいグラデーション。
細い糸の束のようになって、地平線をうっすら染めている。
僕はそこから目を離すことができない。なんだろう、あれは。目を凝らすと、その束の一番下にかつて目にしたことのない形容しがたいブルーが映えていた。しかしこれはブルーだろうか、何か、もっと違う神々しい色彩だ。どこまでも透明で明るく、しかしブルーなのだ。これほどまでに美しいブルーを目にしたことがあったか…。
…いや、あった。
そうだ、イランのマシュハドからヘラートに入ったときだ。
アフガニスタンにはじめて入ったときに見た光景だ。
ひたすら続く砂道を、凄まじい砂ボコリを撒き散らしながら大型バスは走っていた。地平線上何もない不毛な砂地をズゴゴゴゴゴと走っていた。その地平線上で、今見ているこの情景を見た。まったく同じように、この陽の後に目が離せなかったのだ。見ようと思えば思うほど、次第にそれは消えていった。どこまでも美しいと思いながら、それはカタチを留めていなかった。何かを思う束の間に、それは消えてしまう。バスの中で思ったのだ。これがアフガニスタンの青だ。僕が探している青だ…。
完全にその残響が消えぬ間に、
僕はその先へ旅立つことを決めた。
空にはうっすら月が見えた。
この国に月があがっていたことに、今更ながら気づいたのだった。
2006年 11月 アフガニスタン バーミヤン

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